3月4日,金曜日。
夜,呼吸と循環をテーマにした講演会に出席する。
近年では,心不全の基本治療に人工呼吸器による換気療法が用いられ,在宅でも臨床応用されている。今後はさらに,インターネットを通じて在宅での換気状況のモニタリングを行ない,その情報をフィードバックさせて治療にも役立てる・・・といった内容だった。
すばらしい研究と臨床応用である。心不全の管理はさらに一歩前進するといってよいであろう。
だが一方で,精神的錯誤もますます深まるにちがいない。
人間はいつか死なねばならぬ運命を背負っている。その定めをシンプルに受け容れることが困難になってしまうことだろう。
このことは・・・ある重要な認識能力が,退化していくことを意味しているのではなかろうか。